3割と7割
セカンドオピニオンを受けた後の主治医の診察日、主治医に疑問をぶつけてみました。
「そもそも自分は胸膜播種があるのか。」
→1月や2月の胸水検査にて、胸水の中にがん細胞がいた。つまり、胸膜播種がある、ということ。
「胸膜播種がある場合、手術を受ける意義があるのか」
→私の病気の場合、手術を受けたら、およそ3割の可能性で根治が見込める。7割の確率で再発する。
「手術しても、再発する可能性が7割、、、。」というフレーズが頭の中でグルグル回りました。
「右肺を差し出し、3割の根治の可能性にかけるか」
多くの人は、根治を目指し、手術を受けるのだと思います。しかし、私は率直にそうは思えませんでした。
ステージが進行して手術を希望しても選択できない人もいます。そういった人たちからしたら、可能性が比較的低くても手術で根治を見込め、その選択ができるという状況は、贅沢だと思います。
がんの手術というものは、がん細胞を完全に取り去ることことを前提としているため、腫瘍があるところよりひと回り大きく切り取ります。そのため、根治を目指すために、体の機能を諦めなければいけない、ということが往々にしてります。膀胱がんの手術で膀胱をとり、排尿用のパックを身体につけるように。
膀胱と違い、肺は二つある。二つ臓器がある場合、一つは残るので、完全にその機能が無くなってしまうわけではないです。
だから、手術に前向きになろう。
と、多くの人は思うかもしれません。
なぜ、自分はそう思えないのか。そう思えたらいいのに、と思うこともある。おそらく育ってきた環境(主に両親の価値観)が影響しているのかもしれません。
正直、正しい選択、は分かりません。
でも、自分には、右肺を諦めるという選択はできませんでした。
手術の概要
3か月に渡る化学療法を終え、今後の治療について話を聞くために外来へ行きました。
治療開始する前から、抗がん剤治療後に、残存腫瘍を手術で取るとの説明がありました。
この日の診察の数日前に、執刀予定の外科医より初めて電話に連絡があり、切除範囲を決めるための気管支鏡検査や造影CTを受けてほしいと言われ、受けてきました。
その結果を踏まえ、手術について、主治医(内科医)と外科医から説明がありました。
右肺を全て摘出する可能性が高い手術です。また、上大静脈も再建(人工血管)に換える必要があります。その病気に対する症例が1番多い病院の主治医(内科医)には、根治に向けては、それしか方法がないため、手術を受けてほしい、と言われていますが、手術に対して前向きになれない自分がいます。
外科医からは、
「当科でも、まれにみる大手術です。最前を尽くしますが、リスクもあり、後遺症も考えられるので、よく検討して、手術を受けるならよく納得した上で、前向きに受けてほしいと思います。」
と言われました。
化学療法だけで、腫瘍が死滅している可能性もなくはないが、手術で病変をとってみないと、それが確認できない。
手術関連死の可能性は5パーセント。
右肺を取る可能性が非常に高い。
腫瘍が、肺動脈、大静脈、大動脈、気管支に接していて、技術的にもとても難しい手術になる。
開いてみて、腫瘍が取りきれない場合もある。
右肺は、左肺よりも大きく、右肺を取ることは肺活量の55パーセントを失うということ。(リハビリで多少は、回復できるが)
そんな要素があり、いくらこれしか方法がないからと言われても、納得して「そうですか。仕方ないですね。手術をお願いします。」とすんなり答えることはできませんだした。
病気の発覚〜初めての入院
2016年の秋頃から、熱や咳が出たり、寝ている時に胸が痛むことがありました。しかし、そのうち治るだろうと考え、すぐに病院には行きませんでした。
しかし、12月になっても、症状は改善せず、むしろ、日に日に悪化していったので、仕事がひと段落ついた頃、近くのクリニックを受診しました。
そこでレントゲンを撮りましたが、結果が芳しくなく、大学病院を紹介され、翌日熱でふらふらな中なんとか受診に行きました。大学病院でも様々な検査を受けたのですが、症状が重いといあことで、その日に入院することが決まりました。
人生で初めての入院で、不安もありましたが、不謹慎ですが、「どんな感じなんだろう?」という好奇心もありました。
この時は、年が明けるころには退院できるだろうと安易に考え、これから、長く険しい闘病生活が続いていくなんて夢にも思っていませんでした。
はじめまして
はじめまして。こんにちは。
神奈川に住むアラサー男子です。
現在、病気にかかり休職中です。
この機会に一度立ち止まって
これからの自分の生き方について
考えたいと思います。
転んでもただで起き上がるのは、嫌だ。